奨学金プログラムと若年層の労働参加
MarketWatchで面白い記事がありました。
アメリカの高校生の夏休みのバイトと言えば、ファストフードチェーンや地元プールのライフガードなどがあげられます。
NBERのペーパーによればこうした夏季のバイトをする10代の割合が過去50年来の低さになっているそうです。
理由としてとしては州政府によるmerit-basedの奨学金プログラムがあげられています。奨学金プログラムの申し込みに際して、学校での成績は一つの大きな選考要素です。そのため、高校生は少しでもいい成績とって奨学金に申し込もうとするインセンティブがあります。
この研究によると、奨学金プログラムがより高い成績を選考基準にするほど、10代の労働市場参加率が減るという結果が見られるそうです。
また、移民や高齢の労働者がこうしたタイプのバイトで働くようになった事、インターンシップやボランティア活動など、より入学選考時のアピールに使えそうな仕事を10代が選ぶようになった事なども要因ではないかと推測されます。
実際のところ、高騰する授業料の推移を見ると、例えばマックで働いて稼ぐバイド代なんて雀の涙くらいですからね。一夏フルで働いて、中古の教科書が買い揃えられるかどうか、くらいじゃないでしょうか。
日本でも最近奨学金プログラムの拡充という話を聞くので、同じ様な現象が起きているか興味深いところです。
Tuition Inflation: Indexing the Rising Cost of College | S&P Dow Jones Indicesより