オレンジジュース雑感
CNBCのYoutube ChannelでWhy Most Orange Juice Comes From Brazil, Not Florida
というタイトルの動画を見つけました。
大学時代アメリカに住んでいましたので、オレンジジュースといえばフロリダ州というイメージが強く残っています。
冷凍濃縮オレンジジューズの先物市場があり、ハリケーンがフロリダ州に近づくと収穫が減って先物価格が上がるという教科書的なエピソードをどこかで読んだ記憶があるので、アメリカがオレンジジュースの生産大国というイメージがありました。
Futures Orange Juice Chart Daily
生産国1位はブラジル
しかし、オレンジジュースの生産国ランキングを見ると、ずいぶん前にブラジルが1位になっています。
Orange Juice Production by Country in MT - Country Rankings
フロリダ州において、60年代の霜害でオレンジの木が影響を受けた一方、ブラジル南部州でオレンジの作付けが急速に進み、85年にはブラジルでのオレンジ生産高はフロリダのそれを上回りました。
ハリケーンの影響、世界的なオレンジの病気、コンドミニアム建設のメリット、アメリカ人のオレンジジュース消費量の減少などもあり、フロリダ州でのオレンジの作付け高はこの10年で40%も減っています。
世界シェアをオレンジジュース10杯に表すと、7杯を占めるほどになったブラジルでは、逆にフロリダ州のオレンジ畑や生産設備を買収するなどして、CUTRALE、citrosuco、LDCが世界的なオレンジプランテーション企業となりました。これらの企業は2015年時点、全世界でボトラーに供給する量の半分以上をコントロールしているそうです。
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貿易問題
オレンジジュースは中国、カナダ、EUによる報復関税の対象となりました。作付けは減っていてもフロリダは主要な生産州なので、オレンジ農家への影響は避けられません。フロリダ州は歴史的にスイングステートなので、貿易問題が長引けば2020年大統領選に影響しそうです。