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バニラの価格はなぜ高い

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Business Insiderのバニラの価格についてのツイートを見つけたので、まとめてみました。

Business Insider on Twitter: "Here's why vanilla is so expensive… "

労働集約的なバニラ栽培

バニラは蔓性植物で、我々が知っているバニラ味は、鞘状の実を発酵・乾燥させることで生成されます。

バニラのツルは成長するのに2-4年かかります。さらに年に一回だけしか花を咲かせないという特徴があります。 花が咲いた時に受粉される必要があり、受粉を助けるハチや鳥などの媒介生物がいなければ、結実率は落ちてしまい収穫量も下がります。

80%以上のバニラが生産される最大生産国マダガスカルでは手作業でこの受粉作業を行うそうです。収穫までも含めるとバニラの栽培は極めて労働集約的です。

消費者の嗜好の変化、盗難リスク、天候リスク、etc..

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バニラの価格(FTより)は高騰を続けており、重さで比べると銀より高い値段がついています。 その要因としては、消費者の嗜好の変化が挙げられます。

80年代、人工的なバニラの味や香りが開発され、価格的に割に合わなくなった天然バニラの農家は生産を削減しました。

その後、人工品ではなく、天然のものを摂取しようというというトレンドになり、天然バニラの需要が戻りました。

しかし、バニラ農家が生産量を再び元に戻すにのは時間がかかります。

さらにバニラはその価格の高さから盗難のターゲットにもなります。ならず者は成長したバニラの鞘を盗んで市場で換金するのです。

その上、最大生産国のマダガスカルは日本の台風のようにサイクロンが周期的にやってきます。バニラ農家は天候リスクも負っています。

国内で栽培できるか

福岡で商業栽培が行われているそうです。

j-net21.smrj.go.jp

また、北海道でも2020年に量産体制に移るべく試験栽培を昨年から始めた会社があるようです。 http://www.ishiya.co.jp/upd_file/news/434/news_file434.pdf

栽培方法を見ると18度以上、湿度70度以上を保てる場所が必須らしいので、ビニルハウスでの栽培になりますね。冬場の暖房費がかかりそうです。 自分で始めるなら、初期投資額、 初収穫までキャッシュのアウトフローが続く3-4年間をどうやり過ごすか、温度や湿度管理を完全自動化、販路開拓など課題がありそうです。



うちの子供らはバニラアイスが好きでスーパー行くとよく買ってとせがまれます(^◇^;)。 もう少し大人になったら、その味が元をたどればマダガスカルからきているんだぞと地球儀見せながら教えたいと思います。