運輸セクターのリポート
マネックス証券経由で読めるJPM証券の運輸セクターレポートがかなり情報量豊富です。
JPMのセクターレポートはカバレッジの広さだけでなく深さもあり定期的に読むとセクターの動向がかなりよく把握できます。
セクターのOverview
- 不透明な環境下ではリスクを抑えるために株価のボラティリティが低い銘柄を組み合わせるminvol投資が台頭する
- 2019年の金利経済環境は不透明なのでボラの低い運輸、食品、医薬品のディフェンシブセクターが選好される。この中でも運輸のバリュエーションは他と比べてリッチでない。
- 増税後に旅客より貨物に影響がでる可能性あり。14年の消費税増税後に国内物流の荷動きが低迷した。
陸運
- 佐川、セイノー、福山が値上げを進めた間、トラック各社の利益率は改善。一方、3PL、日立物流の利益率は悪化。
- コストアップ時はトラック各社の適正単価収受・業績改善が先行する。トラックドライバーを有さず、外注、傭車構成比が高い3PLはコストアップが先行しがち。さらに顧客との相応の交渉、年一回の契約更改によるタイムラグがある。
海運
- 中国の鉄鉱石輸入量は高水準で推移。環境規制で国内鉱山の閉鎖が効いている模様。生産効率アップのため高品位な輸入鉄鉱石需要は強いだろう。アップサイドは中国のインフラ投資拡大。
- 19年は新造船竣工量が限られる。20年1月からのSOx排出規制で既存船のドック入りが集中。老齢船スクラップも市況にプラス。
- ONEの業績回復に注目
鉄道
- 新幹線旅客需要、定期券需要が堅調
- ベータが0.7程度
- 消費増税後も旅客需要は落ちにくい。
- キャッシュレスでJR東日本のSuicaサービスに注目
空運
- ベータが0.6程度。優待目当ての個人投資家比率高い
- 2020年の羽田発着枠拡大が成長機会。五輪によるインバウンド需要もあり需給悪化はみていない。