2020年を振り返る - 投資編
激動の一年が終わりました。 年間の日本株PFのパフォーマンスを計算したところ、年初来で28.9%増。米株PFは12/30時点で80.2%増となりました。
自分のTwilogを読み返しつつ今年を振り返りたいと思います。
1-2月
思い返せばイラン司令官殺害のニュースなど中東情勢の悪化懸念から始まった2020年。東京オリンピックを控えて年前半のGWにかけては波乱含みの展開、年後半から上向くイメージでいました。
1月5日には武漢で新型コロナウイルス患者が発生したと発表(NHKスペシャルによると感染はそれより前に始まっていて、武漢の海鮮市場は初期クラスターの一部だったようです)。
当局は専用病棟を速攻で建てているし、
新型肺炎患者向けの病棟、2棟目を建てるらしい。ベッド数1300でETAは半月。 https://t.co/xXWHOy9xVE
— ねりんぷろ (@nerimplo) January 26, 2020
強権的なロックダウン措置をとる対応が中国発のニュースで流れていました。
レインボーブリッジも封鎖できない国から見たら、これやっちゃうのが中国なんだなと。振り返って見た時、この対応はどんな評価になるのだろうか。 https://t.co/IPp4F0hfur
— ねりんぷろ (@nerimplo) January 23, 2020
とはいえ、この時点で自分は大阪でのMicrosoftのイベントに行っていましたし、正直対岸の火事程度に思っていて、まぁ豚インフルの頃と同じになるやろ、くらいの構えでした。
それでも、プットオプションを保険目的で買ってました。中国ニュースを追っていると武漢では秀吉もびっくりな一夜城で病院建てるくらいの大騒動なのに、株式市場は2月第3週まで、特に日経平均はそれほど影響を受けておらず、このウイルスの脅威は実はそれ程なくて、間違っているのは(心配し過ぎなのは)自分じゃないか、と思うようになりました。そうであれば、ここは少しでも利益乗ってるプットオプション外して様子を見よう、と判断したのが2/20です。後から振り返ってこの判断がいかに愚かだったのか思い知ることになります。
歴史的下落の3月
しかし含み損に耐えるのは、 pic.twitter.com/sJGrhtxeHF
— ねりんぷろ (@nerimplo) February 26, 2020
自分は社会人になってからリーマンショックと2011年3月大震災を経験したのですが、その頃は運用額も今より少なく、銘柄数も多くなかったので、今回体感する下落の恐怖は今までで最大でした。 株式PFの下落を少しでも回避するため、信用ポジは徹底的に損切り、少しでも利益が乗っている現物は長期保有候補であってもとにかく売りました。キャッシュポジションはPFの8割近くになりました。
米株ではNYダウのサーキットブレイクという、ものすごいプライスアクションを経験しました。「Frozen III」なんてジョークよく言えたよなと今振り返って思います。
Frozon III https://t.co/9QmB9Z96tm
— ねりんぷろ (@nerimplo) March 16, 2020
BBGのQuickTakeでNYSEのライブやってます。さっきまでフロアでブローカーさんらが動きながら端末でポチポチやってるシーンだったけど、トレーディングがHaltされたので数字だけになった。 pic.twitter.com/mJ7Sg1ziah
— ねりんぷろ (@nerimplo) March 9, 2020
おそらく、想定を超えるプライスアクションを経験した人は笑いしか出てこないんじゃないか。
3月末時点では年初来-35%でした。
金融/財政総動員
3月15日、FRBは臨時の会合を開き、パウエル議長は危機対応を表明。事実上のゼロ金利政策と大量の国債などを買い入れる量的緩和の再開を決定しました。 www3.nhk.or.jp
その後通常の失業保険にさらに600ドル/週を上乗せするなど、政府が国民のポケットに金を突っ込む平時であれば考えられない政策を含むCARES法案が米議会で合意。 www.washingtonpost.com
これらの政策により市中のマネーはM1/M2を見ると判るように急拡大。
経済学史に深く刻まれる出来事でしょう。
急回復の春
4月、5月は大きく回復し、特に5月の月間確定損益は過去最高となりました。 スクリーニングに出てくるバリュエーションを気にせずとにかく平時に普通に戻ればある程度稼げる時価総額大きめの優良企業を現物で買い始めました。 5月に月間で過去最大の確定利益となった要因としては、3月末から4月にかけて建てた信用買いポジの貢献が大きいと自己分析してます。
ヨコヨコの夏/秋
その後7-8月の利確と損切りの夏を過ごし、一進一退の秋になり、10月中旬の新興市場ピークアウトの余波を受けました。 この頃、AI Insideが大きく貢献した一方、決算ギャンブルをしたパソナの空売りポジションが決算発表後に見事に逆サイドに行くS高となり大きな損失となりました。
8月以降は海運セクターのポジションを初めて作りました。郵船と川崎汽です。読み通りどちらの業績も市況の回復を享受し、株価はそれに反応した形となりました。
日本郵船、荷量が減り売上げ減でもコンテナ船を機動的に減便、運賃率は前年比+、燃料費が減少したおかげで収支改善。国際旅客便の減便による貨物便の供給逼迫により市況は改善。PPEの緊急空輸需要も寄与。 pic.twitter.com/Q6tB3mO1ug
— ねりんぷろ (@nerimplo) August 5, 2020
大統領選後
大統領選から12月にかけて時価総額上位のバリュー/クオリティのカムバックを享受できました。シクリカルの機械や化学セクターにうまく乗れました。特に12月にかけてYH水準で推移できたのは夏頃にポジション作ったレノバです。エネルギー政策関連として注目される事は当初は全く考えてなかったのですが、自前で発電所を建てられる優位性と今後の投資額、売電設備の着実な積み上がりを期待して5-7年のスパンで考えての投資でした。ポジション量も現物としては多めだったので、現物PFのパフォーマンスに大きく貢献しました。ちなみに同株は12月後半で全株利確しました。
振り返ってみると、急落→急回復→ヨコヨコ→上昇とPFとマーケットは大方同じように推移しました。地合いに助けられた1年だったと思います。
来年のビュー
COVID19については現在の第3波をやり過ごす過程でモデルナやファイザーのmRNAワクチン、アストラゼネカの安価なワクチンが世界的に普及していくことでしょう。順調にいけばアメリカは来秋にも集団免疫を獲得することになり、消費や設備投資の回復、失業率の下落、COVID19により生じたスラック解消による賃金増と好調なマクロ経済環境に戻ると予想しています。
来年1-3月は、平時の経済環境でうまくキャッシュを稼げそうな企業の押し目を狙う戦略でいくつもりです。全体的なマーケットの雰囲気を把握するために使っている25日移動平均線を上回る銘柄の割合を見つつ、信用枠ではシクリカルなセクターやテーマ株投資で上手く回していこうと思っています。