ノルウェー政府ファンド
ノルウェー政府ファンドに関する記事がありました。
Norway’s $1 trillion wealth fund generates $20bn in second quarter
- 2Qのリターンは1.8%。石油・天然ガスセクターのへの投資分が貢献。
- Apple, Amazon, Microsoftへの投資分も貢献
- 株式の保有割合は2.7%上昇
- EMでは5.7%、中国株式では4%の損失。
- 特にイタリアでの政治不透明感がヨーロッパ金融市場にネガティブな影響を与えたとあります。貿易の問題が中長期的にファンドの成績に影響を与えると懸念するコメントもあるようです。
投資先は2017年12月末時点でのデータですが、ここから閲覧できます。
https://www.nbim.no/en/the-fund/holdings/holdings-as-at-31.12.2017/?fullsize=true
XLS形式の全保有株のデータもこちらからダウンロードすることもできます。
https://www.nbim.no/hr/report?category=eq&sortby=country&filetype=xlsx&year=2017, https://www.nbim.no/en/the-fund/holdings/holdings-as-at-31.12.2017/?fullsize=true
フィルターかけて日本株を見ると投資先発掘の材料になりますね。
ブラジャーの価格ウォッチ - 物価指数統計より
アベノミクス以降、ほぼ一本調子で上がってきたブラジャーの価格指数が先月大幅な下落となりました。103.8から101.1と前月比ベースで見るとアベノミクス以降最大の下げです。
日経平均との高い相関関係
東京都区部消費者物価指数の算出品目の一つであるブラジャー。この価格と日経平均の相関係数は2012年12月以降のデータを見た場合、0.91とかなり高いです。(ちなみにアベノミクス以前は-0.14です)
もちろん相関関係は因果関係を意味しません。
景気が良くなったら女性がブラの購入数を増やすとか、財布の紐が緩んで高級シフトするので、ブラの製造メーカーの価格戦略が強気になる等考えられるかもしれませんが、本当にそう言えるのか、データがないのでわかりません。
下落の要因は?
品目の詳細を見ると、算出対象であるブラジャーの品目は
〔カップ〕レース又はシームレス,〔サイズ〕C70又はC75,中級品,「ワコール」,「ウイング」又は「トリンプ」
とあります。 日本人女性の平均的なバストサイズ、中級品、ブランド名から言ってボリュームゾーンの品物ではないでしょうか。
このボリュームゾーンの商品を、消費者が支出を控えはじめているので小売側が値下げしてでも売る、という戦略になり始めたとしたら、消費動向はデフレ的になりかけてるかもしれないです。
あるいは、ここ数ヶ月の下げは、他のアパレルメーカーとの商品競争によるものかもしれません。ユニクロはブラトップを販売してますし、最近ZOZOTOWNが例のボディースーツ技術でブラもサイズを測って売り出すといいます。 最新技術で“試着”が変わる!? ZOZOSUITが“靴”や“ブラジャー”にも対応 | NewsWalker
しかし、ユニクロがブラトップを売り出したのはもっと前ですし、今頃その効果が現れるというのは、説としては筋が悪そうです。
ちなみに、ワコールは3Dボディースキャナーで全身の採寸を行いオーダーメイドの下着を提案する計画だそうです。 ワコール、体のラインを5秒で採寸する「3Dボディスキャナー」導入へ。きめ細かなブラジャー提案に活用
数百ある物価指数の品目のうち、ブラが指数に与える影響は極めて小さいです。それに女性の可処分所得のうち、たまたまここ数ヶ月、別の財やサービスに支出が向かったからブラを買い控えたかもしれないです。
記録的な猛暑によって、物価指数の調査対象となる従来品から通気性のいいスポーツタイプに需要がシフトしたことによる価格下落かもしれません(最新のデータは7/27公表分です)。POSデータを見たらこの辺、検証できるかもしれないですね。
景気ウォッチャー調査から日経の売買シグナルを出す
景気ウォッチャー調査から株価の買いシグナルを読む方法があります。
景気ウォッチャー調査で「現状判断DI」が1ポイントを上回って上昇すれば、日経平均の買いシグナル点灯。その後、1ポイント以上の低下となると売りシグナルに転換、という売買を公表日終値で行ったとします。 現在まで61回シグナルが点灯し、勝率は6割です。旧民主党政権下で勝率が3割と著しく悪化した時期を除くと、7割と高水準です。 https://moneyforward.com/media/career/67357/
無視できない指標
そもそも景気ウォッチャー調査は全国2000人以上の景気の最前線に立つ人々を対象にしたアンケート調査です。 景気の現状判断と先行き判断を 「良くなっている」 「やや良くなっている」 「変わらない」 「やや悪くなっている」 「悪くなっている」 の5段階で回答したものが指数になっています。
株価が景気を反映するものだとすれば、人々の景気の現状や先行きの見通しが変われば、その変化が織り込まれるはずです。当然ながらそこに投資機会が生まれるわけで、そのヒストリカルな勝率からみて景気ウォッチャー調査は無視できない指標かと思います。
現状判断DIだけでシグナルを出した場合
オリジナルの「景気ウォッチャー投資法」の提唱者である三井住友AMの宅森氏は現状判断DIをシグナル点灯の判断材料としていますが、私は先行き判断DIも加え、それらの前月からの変化率も加味してシグナルを出す判断材料にしています。
下記のテーブルは宅森氏が提唱する現状判断DIだけでシグナルを出した場合です。
公表日 | 現状DI | 先行きDI | 現状DI前月比 | シグナル | 日経 | 損益 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017-11-09 | 52 | 54.5 | 0.9 | Buy | 22868.7 | 0 |
2017-12-08 | 54.1 | 53.4 | 2.1 | Buy | 22811.1 | 0 |
2018-01-12 | 53.9 | 52.7 | -0.2 | Buy | 23653.8 | 0 |
2018-02-08 | 49.9 | 52.4 | -4 | Sell | 21890.9 | 1067.35 |
2018-03-08 | 48.6 | 51.4 | -1.3 | Sell | 21368.1 | 0 |
2018-04-09 | 48.9 | 49.6 | 0.3 | Sell | 21678.3 | 0 |
2018-05-10 | 49 | 50.1 | 0.1 | Sell | 22497.2 | 0 |
2018-06-08 | 47.1 | 49.2 | -1.9 | Sell | 22694.5 | 0 |
2018-07-09 | 48.1 | 50 | 1 | Buy | 22052.2 | -161.32 |
2018-08-08 | 46.6 | 49 | -1.5 | Sell | 22644.3 | 592.13 |
テーブルの見方としては 公表日2/8にシグナルがSellになっています。これはその前月までBuyだったシグナルがSellに転換したので、買いポジションと手仕舞ってドテン売りする、を意味しています。
これだと不満があります。というのも、今年の2/8時点で日経平均は下げに転じています。その前の1/12時点で売りシグナルを出せれば、1/12 23653.8売り -> 7/9 22052.2買い戻しをすることで、売りで利益が出そうです。
先行き判断DIも判断材料にしてみる
それをするために、先行きDIの前月比もシグナル点灯の判断材料に加味して計算し直してみたところ、売りシグナルが1/12に出るようになりました(下記テーブル参照)。さらに累積利益が現状判断DIだけを使った場合にくらべて、2割くらい改善しました。ちなみに、バックテストには2002年からのデータを使っています。
公表日 | 現状DI | 先行きDI | 現状DI前月比 | 先行きDI前月比 | シグナル | 日経 | 損益 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2017-11-09 | 52 | 54.5 | 0.9 | 3.4 | Buy | 22868.7 | 0 |
2017-12-08 | 54.1 | 53.4 | 2.1 | -1.1 | Buy | 22811.1 | 0 |
2018-01-12 | 53.9 | 52.7 | -0.2 | -0.7 | Sell | 23653.8 | 3572.84 |
2018-02-08 | 49.9 | 52.4 | -4 | -0.3 | Sell | 21890.9 | 0 |
2018-03-08 | 48.6 | 51.4 | -1.3 | -1 | Sell | 21368.1 | 0 |
2018-04-09 | 48.9 | 49.6 | 0.3 | -1.8 | Sell | 21678.3 | 0 |
2018-05-10 | 49 | 50.1 | 0.1 | 0.5 | Sell | 22497.2 | 0 |
2018-06-08 | 47.1 | 49.2 | -1.9 | -0.9 | Sell | 22694.5 | 0 |
2018-07-09 | 48.1 | 50 | 1 | 0.8 | Buy | 22052.2 | 1601.64 |
2018-08-08 | 46.6 | 49 | -1.5 | -1 | Sell | 22644.3 | 592.13 |
今後の見通し
8/8公表分の景気ウォッチャー調査を見ると現状判断DIが前月比から1ポイント以上下げているので売りシグナルが出ています。私はルールに従い、日経先物miniを売り建てています。 ただ上記リンク先の記事にもあるように、7月の西日本豪雨の影響がありますので、それが剥離する秋にかけては回復が見込めそうです。来月は買い転換するかもしれませんね。
JPM証券の機械セクターレポートを読む
マネックスのレポートページからJPM証券が定期的に発行するセクターレポートが読めます。
8月9日付のレポートによると7月の工作機械受注速報は20カ月連続の前年超えが続いています。
受注からは米中貿易摩擦を起因とした販売影響は見られず、内需・外需共に堅調と見ているようです。
具体的には、内需はこれまでの傾向に加え、ものづくり補助金効果もあり、堅調なトレンドが継続しており、外需はスマホ含むエレキ関連には減速感はあるものの、貿易摩擦による影響は限定的とみているようです。
FAに関しては、「18年下期をボトムに回復に転じるか」が強気転換への注目点だとしています。JPMではキーエンスとSMCをOverWeightで推奨しています。キーエンスに関してはチャート見る限りボトム圏でヨコヨコ、上海との連動性が高まっているので当分このトレンドが続く気がします。
手元にあるヒストリカルな景気ウォッチャー調査のデータを見ると、機械セクターに関連する事業者の先行き判断は8月に上向きに転じています。
ちなみに、このレポートでは工作機械統計のデータを出典として多用しています。ネットでググる限り、この辺りかと思います。
後者はPDFファイルにデータテーブルが貼り付けてあり、素晴らしいユーザーアンフレンドリーさです(汗。
マーク・モビアス氏のインタビュー
マーク・モビアス氏がBBGのインタビューに答えていました。
トルコに関して
アジア通貨危機の際、マレーシアが資本規制をしたように、海外投資家がゲットアウトできない規制は他の新興国にとっても非常に悪い例。
エルドランもトランプもどちらもおそらく妥協しないだろう。この対立は深刻な懸念だ。
新興国について
長期的な見通しは明るい
どの国、どの会社に投資するかが大切。
レバレッジをみている。負債の大きい企業は避けている。金利が上昇する中、ドルで負債の大きい会社、国家は避けた方が良い。
マレーシアの資本規制に関しては当時IMFから批判をうけたものの、経済を安定化させる意味で最終的には手助けになったという見解があるのも確かです。 インタビューとは関係ないのですが、モビアス氏はFranklin Templetonを今年初めに離れたそうです。
言語が考え方を形作る
YoutubeみてたらTedで面白いクリップを見つけました。
How language shapes the way we think
というタイトルで、 認知科学研究者のLera Boroditsky氏による講演です。
例えば、この写真。英語を話す人だと
He broke the vase
と言うのが普通でしょう。
一方、スペイン語を話す人だと氏の研究によれば、The vase broke
やThe vase broke itself
と言う人が多いそうです。
同じ出来事なのに受け取り方が違う、表現の仕方が違う。これは面白いですね。 英語を話す人は誰が壊したかを覚えていて、スペイン語を話す人は誰が壊したか覚えていない傾向があるが、それがアクシデントだったと覚えている傾向があるそうです。
さらに、英語だと上記のような画像を見たら、「瓶が割れた」と言うより、「奴が瓶を割った」と言えば、その人を対象にして非難するように受け取れます。
日本語はどちらかと言えばスペイン語のように「瓶が落ちそう」とか「瓶が割れる」と表現する人が多いような気がします。
どちらがいいか悪いかという話ではなく、言語が考え方を形作るという視点が面白いなと思った次第です。
Go langを使って単純移動平均を返すAPI Serverを作ってみた
Go langを使って単純移動平均を返すAPI Serverを作ってみました。
ローカル運用ですが、
http://localhost:8000/sma?code=1333&date=2018-08-07
でリクエストすると、下記のようなレスポンスが戻ってきます。
[ { "code": 1333, "price": 3820, "sma": 4084.2, "tstamp": "2018-08-07T00:00:00Z" } ]
とりあえず欲しい値は取れてます。
URLルータとディスパッチャのライブラリであるGorillaが理解しやすくかつ書きやすいです。サンプルコード読んでたら、多くのTutorial/Get Started系の記事で使われていました。
router := mux.NewRouter() router.HandleFunc("/sma", GetSMA).Queries("code", "{[0-9]+}").Queries("date", "{date}").Methods("GET")
これを足がかりに
- スクレイピングなどでファンダメンタルデータを集めてHeroku Postgresに投入。収集にはNode.js / Pythonを使う。
- Go langのAPI serverを立てて各種エンドポイントを用意する。
/api/edinet?code=1333&limit=30
とか/api/fundamental?code=1333
みたいな - PandasからAPI呼び出してDataframe化する
これでPandas使ってデータ分析する際に、データを揃える部分が簡略化できるはずです。
本当はバフェットコードみたいなデータ揃えてくれているサイトが、有料でもいいので1リクエスト0.01円とかでAPIサービス始めてくれると嬉しいのですがw
追記: githubにリポジトリ作りました。 github.com