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成長株投資のTロウプライスまとめ

古いEvernoteのエントリーを整理していたら昔Tロウプライスについてまとめていたノートを見つけたので、ブログのネタにしてみました。引用元はマネーマスターズ列伝です。出版が2001年なのでだいぶ古いです。

マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれた

マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれた

T.Rowe Priceはアメリカの成長株投資家で、氏が設立した独立系資産運用会社T. Rowe Price GroupはTROWのシンボルでNasdaqに上場しています。

方針

  • 成長を約束された肥沃な土地を探し出す。そこで発見した成長株を長期に渡って保有すべし。
  • 成長企業 = 利益が長期に渡って成長している会社。景気循環のたびに利益水準を更新していく見込みがある会社。(例としてコカコーラ、メルク、ウォルマートなどを挙げている)

成長株の条件

  • 優れた商品の研究開発力と市場の開拓力
  • 激しい競争にさらされている。
  • 政府の規制から比較的自由
  • 総人件費は低い。しかし一人当たりの報酬は高水準。
  • 売上高利益率が高水準で推移している。一株あたりの利益が伸びており、ROEが10%以上ある。

優良企業を支えている特質

  • 優秀な経営者
  • 傑出した研究開発
  • 特許
  • 堅固な財務内容
  • 好立地

衰退に向かうサイン

  • 悪い経営交代
  • 市場が飽和状態
  • 特許の期限切れ
  • 法規制の強化
  • 人件費、原材料費の増加

法規制の強化については、かえって新規参入のバリアとなり、既存のプレーヤーを利するケースもあると思います。人件費や原材料費が増加しても、その分を価格にパスできる、それができる財やサービスを消費者に提供できる企業であることが大切かと思います。オリエンタルランドなんて特にそうだと思います。

ハンズマンメモ

九州で展開するHC。1店舗あたり22万アイテムの品揃えが特徴的。

Amazon耐性

  • 品揃えの多さから「ハンズマンに行けば必ずある。」という消費者への信頼

  • 店舗売場は全て従業員の手作り。一般のお客様からプロの職人にまで対応できる接客力

  • DIY情報発信基地としての機能

決算資料より

  • 販管費は前期比97.4%。店舗の耐震強化費用減少によるもの。

  • 営業益は前期比92.5%。熊本地震による復興需要を背景に伸びていた売上の反動減の影響が大きい。

  • 人件費率が上昇傾向

  • 売り場改装の推進、売り場スタッフの販売能力の向上を目的とした研修会の実施。

カタリスト

  • PLインパクトあるのは新規出店。社長のインタビューを読む限り、中国地方、それから関西、関東と九州外に展開して行くことは考えている模様。ただ、2012年以来の出店はなし。

  • 丸八証券の今年3月のレポートによると福岡で2箇所交渉中とのこと。

参考資料

http://www.handsman.co.jp/company/

https://diamond.jp/articles/-/92636?page=3

http://www.maruhachi-sec.co.jp/cms/investment_list/dl.php?filename=news_file5_1521009109.pdf

バニラの価格はなぜ高い

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Business Insiderのバニラの価格についてのツイートを見つけたので、まとめてみました。

Business Insider on Twitter: "Here's why vanilla is so expensive… "

労働集約的なバニラ栽培

バニラは蔓性植物で、我々が知っているバニラ味は、鞘状の実を発酵・乾燥させることで生成されます。

バニラのツルは成長するのに2-4年かかります。さらに年に一回だけしか花を咲かせないという特徴があります。 花が咲いた時に受粉される必要があり、受粉を助けるハチや鳥などの媒介生物がいなければ、結実率は落ちてしまい収穫量も下がります。

80%以上のバニラが生産される最大生産国マダガスカルでは手作業でこの受粉作業を行うそうです。収穫までも含めるとバニラの栽培は極めて労働集約的です。

消費者の嗜好の変化、盗難リスク、天候リスク、etc..

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バニラの価格(FTより)は高騰を続けており、重さで比べると銀より高い値段がついています。 その要因としては、消費者の嗜好の変化が挙げられます。

80年代、人工的なバニラの味や香りが開発され、価格的に割に合わなくなった天然バニラの農家は生産を削減しました。

その後、人工品ではなく、天然のものを摂取しようというというトレンドになり、天然バニラの需要が戻りました。

しかし、バニラ農家が生産量を再び元に戻すにのは時間がかかります。

さらにバニラはその価格の高さから盗難のターゲットにもなります。ならず者は成長したバニラの鞘を盗んで市場で換金するのです。

その上、最大生産国のマダガスカルは日本の台風のようにサイクロンが周期的にやってきます。バニラ農家は天候リスクも負っています。

国内で栽培できるか

福岡で商業栽培が行われているそうです。

j-net21.smrj.go.jp

また、北海道でも2020年に量産体制に移るべく試験栽培を昨年から始めた会社があるようです。 http://www.ishiya.co.jp/upd_file/news/434/news_file434.pdf

栽培方法を見ると18度以上、湿度70度以上を保てる場所が必須らしいので、ビニルハウスでの栽培になりますね。冬場の暖房費がかかりそうです。 自分で始めるなら、初期投資額、 初収穫までキャッシュのアウトフローが続く3-4年間をどうやり過ごすか、温度や湿度管理を完全自動化、販路開拓など課題がありそうです。



うちの子供らはバニラアイスが好きでスーパー行くとよく買ってとせがまれます(^◇^;)。 もう少し大人になったら、その味が元をたどればマダガスカルからきているんだぞと地球儀見せながら教えたいと思います。

東洋炭素メモ

東洋炭素メモ

2018年12月期第2四半期の決算説明資料より http://www.toyotanso.co.jp/IR/0541-Iri1.pdf

18年12月期の1, 2Q累計で見た営業利益は41.7億。中国高温ガス炉向けが寄与。

売上の53%を占める特殊黒鉛製品は3種類にブレイクダウンできる。 エレクトロニクス分野、一般産業分野、その他

中国高温ガス炉向けの黒鉛材はその他に分類されるようだ。

ポイント

  • 下半期の予想を見ると会社としては特殊黒鉛製品その他分野の売上は例年並みに落ちるとみている。-> 中国高温ガス炉向けは特殊要因
  • このため、18年12月期3,4Q累計でみた営業利益は1,2Q累計と比べて半減する見込みとしている。
  • この数字は、去年の3,4Qであげた営業益23億とほぼ同じ。この数字が本来の同社の実力に近いイメージを持つ。
  • 予想一株利益は224円。26日の終値は3460円。
PER PBR
15.4 (会社予想を元にした) 1.17

PostgresのWindow関数を使う

時系列のデータを含んだテーブルがある場合、 前日比や前月比と言った以前の値との比較を出したくなります。 Pandasだとshiftメソッドを使えば可能ですが、PostgresだとWindow関数を使います。

こちらが元データ。

SELECT dt, x FROM data ORDER BY dt DESC LIMIT 3
dtx
2018-08-0150.8
2018-07-0149
2018-06-0149.2

こちらがWindow関数のうちlag関数を使った場合です。

SELECT dt, x, lag(x, 1) over (order by dt) as prev_x
FROM data
ORDER BY dt DESC
LIMIT 3
dtxprev_x
2018-08-0150.849
2018-07-014949.2
2018-06-0149.250.1

prev_xのカラムにxの1行前の値が入っています。

lag(x, 1) over (order by dt)が肝です。

lag関数の第二引数を変えることで、例えば12とすると、行に毎月データがあれば、12ヶ月前を意味するので前年同月の値が入ります。

100日前の株価との比較をしてリターンを計算するといった操作はpandas側ではなく、postgres側でやってしまえば良さそうです。 viewを作って毎回クエリを書かないように済ませることもできますし。

Moat ETFウォッチ

モーニングスターのMoat Focus Indexに連動するVakEck Vectors Morningstar Wide Moat ETFのサイトで同EFTが所有する全株式のリストが公開されています。

https://www.vaneck.com/etf/equity/moat/holdings/

1位はEli Lilly、2位のExpress Scripts Holdingはヘルスケアセクターの会社。MerckやPfizer, 武田のシャイアー買収で争ったAllerganなど、なんとトップ10のうち7社がヘルスケアに関連する企業です。特に製薬会社は特許による堀を有していることが選ばれる理由でしょう。

ちなみに、モーニングスターでは下記が経済的な堀(Economic Moats)であるとしています。

  • ネットワーク効果

売り手が多ければ多いほど、商品を見つけようとする買い手も増える。 例: AmazonやeBAY

  • 無形資産

特許やブランド、規制当局から与えられた営業許可など。自分のマーケットに侵入してくる競争相手を寄せ付けないような商品を有している。 例:製薬会社

  • コスト競争力

同類の商品を販売するのに係る費用を低くすることができる。例: PBMのCSV、ESRX

  • スイッチングコスト

その企業の製品・サービスを使うことをやめて、別会社の製品・サービスに乗り換える事が困難である状態。例えば、AdobeのPhotoshopに使い慣れたデザイナー集団が他社の製品に乗り換えるのは困難。

  • 効率的規模

ニッチな市場が一社または僅かな企業によって占められている時、"効率的規模"が存在する。例えば、地点Aと地点Bを結ぶパイプラインの会社には地理的な独占があり、他社が同じルートにパイプラインを設置することによるリターンは資本コスト以下になってしまう。例: 石油、天然ガスパイプライ会社のEPD

www.morningstar.com

Hodges CapitalのポートフォリオマネジャーGary Bradshaw氏による推奨小型株

Nightly Business Report 9.17より、

www.youtube.com

Hodges CapitalのポートフォリオマネジャーGary Bradshaw氏による推奨小型株

  • Ollie's Bargain Outlet Holdings Inc(OLLI)

全米22州に展開。店舗数は274で伸び代あり。Amazon effectと言われるリテールセクターの中でも店舗拡大を続けている。

  • Conn's Inc (CONN)

アメリカの家具チェーン。家電製品やマットレスなどの販売。

  • Diamondback Energy Inc (FANG)

SmallCapに分類されるテキサスの原油と天然ガス企業。キャッシュフロー、利益、産出量をみて楽観的な見通しを持っている。

Performance | Hodges Funds
Hodges Mutual Fundsのホームページ。それぞれのFundが保有するTop10が公開されている。